『wie ein Wolf』
普日小説『wie ein Wolf』の後書きです。
wie ein Wolf = 狼のような
最初は、何もかも奪われたい本田さんと本田さんのために我慢する純粋なギルベルトのつもりだったのに、なぜかギルが病んでいきました。純粋さが欠片も見当たらない……。どういうことだ。
ギルベルトの固い理性の前で敗け続ける菊の話のつもりで書いていたので、仮タイトルは「連戦連敗」でした笑 なぜか狼が絡んできて暗い方向に進んでいくという…。何気にアーサーさんをがっつり登場させたのは初めてかもしれません。
ぷにちってそこはかとなく仄暗い気がします。プロイセンの立場がもちろんそうさせているんだと思うけど、本人の性格は正反対ですね。おかげで毎度別人と化します笑
本田さんはどっちかというと楽観主義なのかなと思うんです。「成るように成る」と思ってるし、理想主義者というか、夢見がちなんじゃないかと。だから、純粋にギルベルトとの交際を喜んで幸せを感じているけど、ギルベルトは妙に素っ気なかったりする。
ギルベルトはやっぱり他と違う歪な存在だからこそ、少しずつ緩やかに狂っていくってこともあるのかなぁ、と。国はないけど、その化身だけは存在しているってやっぱり不思議…というか、歪な状態なんだと思います。だから例えば、そのうち記憶障害おこしたりとか、それこそ姿形が変化するとか、何か異常が出てもおかしくないのかな、と。
国の化身って存在事態が不確かというか曖昧で、概念の具現化した姿とすると、本来目に映らないものとも捉えられる気がします。
ギルベルトは国の化身であったけれど、国を亡くした時点で明確にはプロイセンではなくなった「何か」になった。だから、菊たち現役国家の化身が人の姿をしているように、ギルベルトがこれからも人の姿をしているとは限らない、みたいな。=姿形が変化していく。
こう……「世界」が「日本」を認識しているから、本田菊(黒髪で童顔の165cmの人の姿)が見えるとすると、「プロイセン」を認識できなくなったら「ギルベルト」が何者でもなくなって……とかいう妄想したけど、まったく的を射ない理論! 私の頭では無理でした。
ギルベルトの性格とかも変わっていく可能性もあるんじゃないかな……本来は絶対に大切なひとは傷つけない性質だろうし、凄い理知的(だったらいいな笑)なのにその辺が変貌していくとか。
少しでも感情を持ち得ている生物なら必ず存在消滅の恐怖は抱くわけで、ギルベルトは理性では自分の存在がどうなろうと受け止める気でいるけど、心の奥底では抗っている(本能では生存の欲求がある + 好きなひとと共に在りたい、傍にいたいっていう強い情動がある)。だから異常が加速する。まだ理性が勝っている状態だけど、ギルベルトは自分が自分じゃなっていくっていう恐怖に駆られている……そんな感じ。
ギルベルトの変化は「世界」が「異常」を正していること、だから道理。アーサーはその辺を理解していて、彼らの行く末を嘆いている。
……うん、長い。正直ここまで考えてなかったのでほぼ後付けですけども笑 このお話の未来では思い切りバッドエンドが待っていそうです。ハピエン主義だから書けないけど仄暗い話は好き。
獣でも人でもない曖昧な存在の狼男、ということで本当は題名を『wie ein Werwolf』(=狼男のような)にすべきかなと思ったのですが、ヴェアヴォルフって大戦末期の某部隊を思い出す気がしてやめました。ああでもこっちのタイトルにすればよかったかな……しっくりくる笑
この話のBGMはThe Birthdayの「オオカミのノド」でした。ZOMBIE-LOANのアニメ主題歌でしたね。懐かしい笑
この曲、私的にはGGのソル→アリアのイメソンで、せっせと妄想を文字化しているときにギルティのイメソンプレイリストをひたすらにリピートしていたおかげで狼に話が流れていきました。歌詞の「月にむかって 吠えてる訳じゃない どうにもならない気持ちがそうさせてるんだ」をぷーちゃんで想像すると泣けるな、と……。
この曲はぷにちのイメソンって感じではないんですけども何度聴いても飽きない大好きなバンドです。
誰か普日のイメソンをまとめて教えてほしい。なかなか普日のイメソンプレイリストが増えないんですよね……笑
長くなりましたが、読んでくださった方、ありがとうございました!